画集刊行への道①

<画集を作ろうと思ったきっかけとコンセプト>

日本画を学び始めて20年経ちました。いろいろな事があったはずですが、本当にあっという間です。

私がこの度画集を刊行したいと思った理由は、年齢も40歳を超え、若手から中堅作家へ立ち位置が変わる今こそがキャリアを区切る1度目のタイミングなのではと思ったこと。また、いくつかのターニングポイントとなる作品が生まれ、自分でもその制作してきた記憶を記録し、整理し振り返ることが新たな挑戦をしていくうえで必要だと思ったからです。

また、何人かの画商さん(私の絵を販売している人)から、そろそろ画集を出してもよいのでは?と後押しされたことも追い風となりました。

売る側からしても、展示を見に来るお客様やコレクターの方に、その場の展覧会図録だけではなく過去の作品を含めた画集があると、作家や作品の魅力を紹介しやすいとのこと。

確かに美術品は値段も高く敷居は高い。その点画集は価格的にも手に取りやすく私を応援して頂く最初のきっかけになり易い。インスタグラム等SNSのフォロワーの方や、古くから応援して頂いているファンの方含め日頃お世話になっている方々に恩返しをする意味でも、ネット上に広がるデジタルの世界だけではなく実際に手に持てるアナログ感、つまり「物」は必要であると考えたのです。

そして、いざ画集を作るとなったらどんな内容にするかを考えました。

コンセプトは子供から大人まで、つまり幅広い世代が楽しめる本にするということ。

私自身幼少期に親から与えられた様々な絵本や図鑑、こども百科事典が現在の造形活動に紐づけられていることもあり、教育の持つ意味を体感しています。

私の作風は、シロクマやライオンなどなど受け入れ易いものから、一見分かり難い、いわゆる好事家たちの心に響く風景までふり幅が広いことが特徴のひとつです。

子供達が入り込みやすい馴染みの動物達から始まり、知らない生き物や知らない風景、そしてその先に広がる無限の世界を感じ取ってもらえたら、そして大人たちが過去の記憶を辿りながら、子どもの頃のワクワクするような好奇心を今一度取り戻せるような画集となっていたらとても嬉しいです。

※画集は2021年5月21日発売ですが、Amazon、楽天ブックス、HMV等のオンライン通販では予約販売されています。宜しくお願い致します。

BACK